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内分泌代謝内科Endocrinology and Metabolism

当院に内分泌疾患で受診される患者さまはこのような疾患の方が多いです

甲状腺の病気

甲状腺の病気の症状

甲状腺のホルモンが多すぎるとき
体重減少、動悸、息切れ、高血圧、汗をかきやすい、暑がり、微熱、かゆみ、食欲亢進、口が渇く、軟便・下痢、神経過敏、イライラ、不安感が強い、夜眠れない、疲れやすい、落ち着きがない、手が震える、脱毛、目が出てきた、頸(甲状腺)が腫れる、月経異常、不妊、
甲状腺のホルモンが少なすぎるとき
疲れやすい、やる気が出ない、食べていないのに太る、記憶力の低下、脈が遅い、汗をかかない、皮膚の乾燥、筋力低下、声がかすれる、寒がり、便秘がち、いくら眠っても眠い、体温が低い、脱毛、むくみ、頸(甲状腺)が腫れる、月経異常、不妊、眉毛の脱落
甲状腺の腫瘍
頸(甲状腺)が腫れている

甲状腺の病気は気が付かない間に体に変化をおこすため、本人も周囲も、「怠け者になった」「鬱(うつ)になった」などと考えて、自責の念に駆られたり、非難されたり、無理をしたりすることも多く、本当の病気に気づかないで過ごすことも多い病気です。
上記のような症状がある場合は一度、血液検査や超音波検査などの甲状腺の検査を受けることをお勧めいたします。

甲状腺とは?

甲状腺はのど仏の下の気管の前面に張り付いていて甲状腺ホルモンをつくっている臓器です。
大きさは縦×横 約5×4cmで蝶が羽を広げた形をしています。
通常の甲状腺は触っても触れることはありません。

甲状腺のホルモンの働き
甲状腺ホルモンは体の組織の正常な発達や成長、代謝、循環、生殖をコントロールしています。
成人における具体的な働きとしては、心拍数や心臓からの血液の流出量を増加させ、脂肪の合成や分解を高め、熱産生を高め、腸の運動を刺激し、骨代謝を高めるなどの働きをしています。

甲状腺の病気について

①バセドウ病

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、甲状腺機能亢進による中毒症状を呈する代表的な病気です。
男女比は1:7~10と女性に多く、女性の50~200人に1人の頻度でみられ、決してまれな病気ではありません。

原因
自己免疫の病気のひとつで、自分の甲状腺を異物とみなし、甲状腺に限って作用し刺激する抗TSH受容体抗体(TRAb)が免疫系で過剰に作られて甲状腺膜上にある受容体を持続的に刺激する結果、甲状腺は全体に腫大して、甲状腺から多量の甲状腺ホルモンが分泌されて症状をおこします。
発症には遺伝的な素因が約80%、環境因子(喫煙、女性ホルモン、妊娠、感染、ヨウ素など)が20%関与していると考えられています。
症状
甲状腺の腫れ、動悸、目が出てくるなどの特徴的な症状のほかに、甲状腺のホルモンが多すぎるときの症状が出ます。
診断
特徴的な症状とともに、甲状腺ホルモン・TRAb・一般生化学検査などの採血、超音波検査で診断を行います。
診断が難しいときなどには、シンチグラフィ―という核医学検査を専門施設で行います。
そのほかに、レントゲンや心電図などで、心臓の機能や気管・肺・心臓の状態を確認します。
治療
バセドウ病の治療は、
(A)抗甲状腺薬内服
長所:外来で可能、妊娠・授乳が可能、治療が調節できる
短所:治療期間が長い、治療をやめると再発することがある、副作用(白血球減少、肝機能障害、薬疹など)
適応:あらゆる年齢、甲状腺の小さい方、内服がきちんとできる方
(B)甲状腺に限って作用する放射性ヨードの内服
長所:治療が簡単、再発しにくい
短所:治療後甲状腺機能低下症になる、妊娠・授乳中はできない、眼の症状がまれに悪化する
適応:19歳以上の方、6か月以内に妊娠の予定がない、他の治療で再発した方
(C)手術療法
長所:他の治療法より早く治る、再発が少ない、
短所:入院が必要、傷跡が残る、手術の合併症が起こりうる
適応:若年~中高年、甲状腺の大きい方、甲状腺腫瘍を合併している方、薬の副作用がある方、忙しくて通院困難な方、早期に確実に良くなりたい方
の3つの方法に分けられます。
それぞれ長所と短所があり、治療法の選択は病態・年齢・社会的状況・本人の希望によって変わります。

日本では一般的に抗甲状腺薬での治療が選択されることが多く、抗甲状腺薬が副作用などで内服できない方が放射性ヨードの内服や手術療法を選択することが多くなっています。
当院では(A)の治療法で加療開始し、ご希望や病態的に必要がある際には(B)や(C)の治療ができる専門施設をご紹介いたしております。
②橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病は甲状腺機能低下症の大半の原因になっています。
男女比は1:10以上と圧倒的に女性に多く、若~中年女性の自己抗体陽性率は10%以上あるとの報告があります。

原因
甲状腺に限って破壊する働きのある抗体が体の中にできて、甲状腺組織の破壊が進むと初めは正常だった甲状腺機能も長い経過ののちに機能低下症の状態になってきます。
遺伝的な原因の他に、妊娠、ヨウ素およびヨウ素含有薬物、インターフェロン治療、放射線被ばく、年齢、感染、セレニウム欠乏なども原因として知られています。
症状
慢性の甲状腺の炎症のため、甲状腺の腫れが特徴で通常は徐々に肥大してきます。
甲状腺の表面は触れるとでこぼこしていることがあります。
通常は正常機能であった方も、余年をかけて甲状腺が壊れていき、機能低下症になっていき甲状腺のホルモンが少なすぎるときの症状が出ることが多いです。
経過中に一過性の甲状腺中毒症(無痛性甲状腺炎が起こることがあります。
診断
上記症状のほかに、甲状腺ホルモンの低下や抗TPO抗体・抗Tg抗体のいずれかあるいは両方が陽性となっていることや、血液所見などを調べます。
超音波検査では腫大していることや表面の凸凹を認めるなど、慢性甲状腺炎の所見や腫瘍がないかを確認します。
治療
多くの方では、甲状腺の腫れは小さく、症状がなく、甲状腺ホルモン値も正常範囲にとどまるため、そのような状態のときは治療の必要はありません。
甲状腺機能低下症がある場合に甲状腺ホルモン薬の補充を行います。
③ 無痛性甲状腺炎

何らかの原因で甲状腺の細胞が壊れ、甲状腺に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血中に漏れ出てくるため、亜急性甲状腺炎と類似した一過性の甲状腺機能中毒症状になりますが、痛みを伴わないことから無痛性甲状腺炎と言われます。

原因
甲状腺の組織を見てみると、慢性甲状腺炎で橋本病が合併していることが多く、また分娩後に発症することが多いことから自己免疫の関与が考えられています。
アミオダロン、リチウム、インターロイキンー2、インターフェロン、エタネルセプト投与後に発症することもあります。
症状
動悸、暑がり、体重減少など甲状腺のホルモンが多すぎるときの症状が出ることもあります。
名前の通り、痛みはありません。
分娩後に発症した際には、育児ノイローゼとか産後の肥立ちが悪いなどと勘違いされることもあります。
治療
この病気は自然に治る病気ですが、何度も繰り返す方もいます。
④ 亜急性甲状腺炎

炎症により甲状腺の細胞が壊れ、甲状腺に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血中に漏れ出てくるため、一過性の甲状腺機能中毒症状になります。
甲状腺が固く腫れ、痛みを感じます。
痛みは片側から始まって、反対側に移動することもあります。
多くは自然に治りますが、まれに再発もします。

原因
ウイルスによる炎症といわれていますが、原因ウイルスは見つかっておらず、現在のところ原因不明です。
ムンプス、コクサッキ―、インフルエンザ、エコーウイルスなどが想定されています。
症状
動悸、暑がり、体重減少など甲状腺のホルモンが多すぎるときの症状が出ることがあります。
他には甲状腺の堅い腫れ、甲状腺の痛み(左右に移動することがあります)、発熱など。
甲状腺機能亢進症状は1~2か月で自然に良くなることが多く、甲状腺中毒期から、一過性の甲状腺機能低下症期を経て、数か月で甲状腺機能は正常化します。
診断
特徴的な症状とともに、甲状腺ホルモン・炎症マーカー・一般生化学検査などの採血、超音波検査で診断を行います。
治療
自然経過でも良くなりますが、痛みが強い場合には抗炎症薬(たとえばアスピリンなど)を内服します。
痛みが強く、発熱・全身倦怠感の強い時は副腎皮質ステロイドを使います。
⑤ 甲状腺腫瘍

甲状腺腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。
良性腫瘍・・・腺腫、腺腫様甲状腺腫、腺腫様結節、のう胞
悪性腫瘍・・・乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫

原因
原因は不明です。
今のところ明らかになっていません。
症状
甲状腺機能は通常は正常で、一般的に自覚症状はありません。
まれに大きな腫瘍になると、気管や食道を圧迫し、違和感や飲み込みづらさなどの症状がでます。
検査
超音波検査や、超音波ガイド下での甲状腺穿刺吸引細胞診を行い、腫瘍の良悪性の判断をします。
そのほかに、CTやMRIで周辺臓器への影響を見ることがあります。
当院では、超音波ガイド下での甲状腺穿刺吸引細胞診が必要な際には専門医療機関へのご紹介をしております。
治療
良性腫瘍の場合は3か月~1年程度の間隔で定期的にエコーや採血検査で経過観察していきます。
変化が無ければ特に治療は必要ありません。
悪性腫瘍の場合は手術の適応となります。

低血糖

低血糖ではこのような症状がでます

低血糖
  1. 発汗、ふるえ、動機、不安感、焦燥感、悪心、空腹感、知覚異常、眼がぼやける
  2. 集中力の低下、取り乱す、脱力、眠気、めまい、ろれつが回らない、物が二重に見える、空腹感、かすみ目、行動異常、人格変化、記銘力障害
  3. けいれん、昏睡

多少の差はありますが、通常血糖値が約70~65mg/dl以下になってくると特徴的な交感神経刺激症状が出始めます。
60~55mg/dl以下になると、さらに程度がひどくなり、約50mg/dl以下になると中枢神経症状が出て意識障害が出始めることもあります。
これが40mg/dl以下になった場合には③も出てきます。

普段からこのような低血糖を経験している方は

  • 気が付かないうちに不快な症状を避けようと習慣的に食べるようになり肥満になることもあります。
  • パニック障害などのメンタル疾患と考えられて治療を受けたりすることもあります。

血糖を下げる薬を使っているわけではないのに、低血糖の症状がある場合は、反応性低血糖、自己免疫疾患、ホルモンの異常、薬剤性低血糖、悪性腫瘍や腎機能障害、など様々な疾患が隠れている可能性があります。
池袋めぐ内科クリニックでは低血糖の診断と鑑別を行い、今後の方針をご説明いたします。
検査の結果、さらに専門病院での診療が必要な際にはすみやかにご紹介いたします。
長くそのままにしておいて頻回に低血糖症状を繰り返すうちに、だんだん症状が出にくくなり重症低血糖をおこしやすくなることもあります。
これらの症状があり低血糖が心配な方は、早めに一度ご相談ください。

二次性高血圧

二次性高血圧

高血圧はその約80~90%が遺伝的なものと生活習慣が原因と言われる本態性高血圧(いわゆる高血圧)であり、残りの10~20%が二次性高血圧です。
二次性高血圧の原因には様々な疾患がありますが、原因となる疾患の治療によって、治癒が可能なこともある高血圧です。
近年原発性アルドステロン症が見つかる頻度が増しています。

比較的若年からの高血圧で、血圧のコントロールが困難な方は二次性高血圧の可能性もありますので、早めに一度ご相談ください。

二次性肥満(症候性肥満)

二次性肥満(症候性肥満)

肥満とは?

肥満は脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI=体重[Kg]/身長[m]2)≧25 のもの、と定義されます。
BMIが18.5以上25未満は普通体重とされ、BMI18.5未満は低体重とされています。
BMI≧35Kg/m2の肥満者を高度肥満といい、睡眠呼吸障害、心不全、肥満関連腎臓病、皮膚疾患(偽性黒色表皮腫)、運動器疾患、精神的問題など注意すべき合併症があります。

肥満の原因

肥満は原因が不明の原発性肥満と、特定の疾患に起因する二次性肥満に分けられます。
二次性肥満には、①内分泌性肥満、②遺伝性肥満、③視床下部性肥満、④薬物による肥満があり、これらの疾患が原因で肥満になりますので症候性肥満といわれます。
このうち①の内分泌性肥満は症候性肥満の中での頻度が高く、Cushing症候群、多嚢胞性卵巣症候群、甲状腺機能低下症、成人成長ホルモン分泌不全症、偽性副甲状腺機能低下症、インスリノーマ、性腺機能低下症などが含まれます。

二次性肥満の場合は、原因となる疾患の治療が必要です。
そのため高度肥満の治療に際しては、原発性肥満と二次性肥満の鑑別が必要です。
二次性肥満の検査をご希望の方は一度ご相談ください。

その他の内分泌疾患

原因は不明だがなんとなく体調不良があり、心配・・・
とくに以下のような症状の際にはご相談ください

尿の量や回数が多い、食欲不振、体重減少、足がむくむ、多毛、脱毛、動悸がする、元気がない、疲れやすい、顔つきが変わってきたetc…